タンザニアのコーヒーは”酸っぱい”?【キリマンジャロとの違い】

タンザニアとキリマンジャロはほぼ同意味?

キリマンジャロというと、大体の人が聞いたことある言葉だと思います。町ゆく喫茶店や、某コンビニエンスストアでも取り扱っているところがありますよね。

ちなみにキリマンジャロとはアフリカ最高峰の山のこと。タンザニアに位置しています。

結論から言うと、キリマンジャロはタンザニアで生産されたアラビカ種のコーヒー豆のことです。

一部(ブコバ地区)は除外されますが、それ以外のアラビカ種の豆はキリマンジャロと呼ばれます。

アラビカ種

コーヒー豆の三大原種の一つ(他:ロブスタ種、リベリカ種)。フルーツや花の香り、強い酸味が特徴。
スペシャルティコーヒーは全てアラビカ種。

 

なのでキリマンジャロ山から離れた場所であっても、「タンザニア国内で生産」+「アラビカ種の豆」という条件を満たせば、キリマンジャロと呼べるわけです。
※全日本コーヒー公正取引協議会の競争規約定義の一部より

なので「タンザニア産のコーヒー」と「キリマンジャロ」は大きくくくると、同じ意味とも言えます。

タンザニアはしっかりとした酸味が特徴

タンザニア産のコーヒーはしっかりとした酸味が特徴という記事をよく見かけます。また、酸っぱいという表現もよく見ます。

それって本当にそうなの?と純粋に疑問が。まあモノは試し、飲み比べをしてみたので次項で感想をまとめました!

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ひつじ珈琲のタンザニア3種類を飲み比べ

前項でもありましたが、本当にタンザニアの豆は酸味が強く、酸っぱいのか。とても気になるので、検証してみました。

今回比較で使ったのは、ひつじ珈琲で取り扱っている以下の3種類です。深煎りになるにつれて酸味は感じなくなりますが、比較なので一旦飲んでみました。

  • ウルルAA(深煎り)
  • アデラAA(中煎り)
  • タンザニアAA(中浅煎り)

ウルルAA(深煎り)

やっぱり深煎りなので苦みが強く、酸味はほぼ感じませんでした。酸っぱさも一切ない印象。

アデラAA(中煎り)

こちらはウルルAA(深煎り)よりも浅煎りに近いですが、酸味は控えめな感じでした。ありすぎず、無さすぎずのちょうど間くらい。酸っぱさはなく、飲みやすさを覚えました。

タンザニアAA(中浅煎り)

こちらは3種類の中で1番浅煎りに近いので、やっぱり酸味自体は1番感じます。ただ酸味の質はすっきりとしていて、嫌な感じはしませんでした。この酸味は酸っぱさではなかった印象です。

大雄寺店限定(WEB販売なし)

なぜタンザニアは酸っぱいと言われるのか

気になって飲み比べてみましたが、どれも酸っぱさは感じませんでした。ただ今回タンザニアの浅煎りがなく、近い中浅煎りで試しましたが酸っぱさは感じず。

じゃあなぜタンザニアのコーヒー、もしくはキリマンジャロは酸っぱいと言われているのでしょうか?

こちらはひつじ珈琲のOmori代表に聞いてみました。

すると、むかしキリマンジャロは酸っぱい、という代名詞で売っていたからだそうで。

詳しく説明すると、かねてよりお茶文化の日本は、今でこそコーヒーは当たり前にある存在ですよね。でも実は、コーヒーの存在さえ知らない時代があったと。

その時代にコーヒーを広めようと特定銘柄というブランド作り、わかりやすい味のキャッチコピーを付けたんだそう。それが「キリマンジャロは酸っぱい」だったのです。

最初の項で、タンザニアのコーヒーはキリマンジャロと大体同じ意味という説明をしました。それでいうと「タンザニアのコーヒーは酸っぱい」となるのもわかりますね。

でも実際に飲んでみると、酸っぱさは感じなかったので、昔のキャッチコピーが今でも根強く残っているんだなと感じました。

余談①:タンザニアAAって何?

ここからは完全に余談ですが、「タンザニアAA」「ウルルAA」「アデラAA」のAAの意味についてまとめました。

まず、コーヒー生産国では品質を評価するために、国ごとでグレードが付けられています。グレードの分け方は国によって異なります。

主に「スクリーンサイズ」「欠点豆の数」「標高」などで評価され、タンザニアはその中でも豆の「スクリーンサイズ」で評価しています。

スクリーンサイズ

スクリーンとは、ふるいのこと。スクリーンサイズとはふるいの網目のサイズのこと。
生豆の状態でふるいにかけて、サイズ別に選別する。

「スクリーンサイズが大きい(網目が粗い)=コーヒー豆の粒が大きい」

スクリーンサイズが大きい言わば、粒が大きいほど味や香りが優れていると判断されています。

グレード表記 スクリーンサイズ
AA 6.75mm以上
A 6.25~6.74mm
B 6.15~6.24mm
C 5.90~6.14mm

はじめに戻りますが「タンザニアAA」は「タンザニア(国)/AA(グレード)」、タンザニア産のトップグレードの豆という意味になります。

余談②:KIBO(キボー)とは?

最近は「キリマンジャロ」よりも「KIBO」という名前で売られていることが多いそうです。(私は初耳でした・・・)

なので「KIBO」について軽くふれたいと思います。

まず「KIBO」は何者かというと、の名前なんです。詳しく言うと、アフリカ最高峰の山、キリマンジャロ山で1番高い峰の名前が「KIBO」。ようは「KIBO峰」ということです。

気になって販売名を調べてみる、タンザニアAAキボー、タンザニアKIBO AA、などがありました。

以前はキリマンジャロという名が知れていましたが、現在はキリマンジャロのトップのKIBOが知られ始めているみたいですね。

今回はこちらで以上です。最後まで読んでいただきありがとうございます。
これからもコーヒーライフ楽しんでください!

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