コーヒーの濃度を可視化する”TDS”とは?
TDSとは?
最近、コーヒー業界で聞くことが多くなった「TDS」。
東京ディズニーシーのことではございません。
Total Dissolved Solids 「総溶解固形分」のことです。
つまり、液体の中に水以外の成分がどれだけ入っているかを表す数値です。
まったく同じ分量でコーヒーを入れても、あれ?今日のコーヒーちょっと薄い?濃い?なんてことありませんか?
それは豆の粒度やお湯の温度によってコーヒーの濃度が変わってきてしまうから。
そのコーヒーの濃度を知るための数値がTDSです。
レシピを作るときや、新人教育など、味覚だけに頼らず、数値で濃度を知ることができ、抽出を安定させることができます。
ひつじ珈琲のコーヒー研究室をご視聴くださっている方はもうご存じかもしれませんが、2019年、4回目にしてBrixとTDSの説明動画を投稿しており、以降の実験動画のベースとなる考え方となっています。
最近動画を見始めたという方はまず基礎として覚えておくと動画の理解が深まります。
Omori若いです(笑)
Brixとは?
TDSと切っても切り離せないのがBrix。
Brixとはいわゆる糖度のことを表します。
光の屈折現象を利用した糖度計(Brix計)によって百分率(%)で示される値のことです。
つまり、ショ糖などの糖がその液体に何%溶けているかを表す数値です。
しかし、コーヒーに溶けているのは糖分だけではありません。
他にも色々な成分が溶け込んでいるので、糖だけが溶け込んでいる液体と光の屈折率が変わります。
その屈折率の違いを補正するために、Brixに係数を用いて算出したものがTDSとなります。
ひつじ珈琲の動画内ではBrix値×0.79=TDSとしています。
収率とは?
Brix、TDSと並んで大切な指標が収率。
使用したコーヒー豆からどれくらいの成分が抽出されたかを表します。
例)10gのコーヒーを使って200gのコーヒーを抽出し、TDSを計測したら1.0%でした。
200g×1.0%=2g 2gのコーヒー成分が抽出されたことになります。
2g÷10g×100(%)=20% 収率は20%ということになります。
適正な収率は18~22%と言われています。
収率をコントロールするには?
では、コーヒー豆の量、抽出量を変えずに、収率をコントロールするにはどうしたらよいでしょうか?
以下の方法が考えられます。
収率 | 上げる | 下げる |
豆の挽き方 | 細かくする | 粗くする |
お湯の温度 | 高くする | 低くする |
抽出時間 | 遅くする | 早くする |
このコントロール方法を把握しておくと、安定した抽出ができるだけでなく、気分によってコーヒーの濃さを変えたりもできるので、お店の方はもちろん、ご自身でコーヒーを淹れる方もぜひ覚えておいてくださいね。
おすすめのTDS計
最近の動画ではTDS計を比較していますので、これから買ってみようかなと思っている方はぜひ参考にしてみてください。
動画内でレビューした器具はこちら
まとめ
抽出器具、コーヒー豆の種類が最近は本当に増えてきましたね。
ご自身で焙煎されている方も多くなってきて、コーヒーの楽しみ方は無限大ですが、
その分、「基準がわからなくなってしまった」なんて悩みを抱える方もいらっしゃるのでは?
そんな時はコーヒーの味わいを可視化できるTDSや収率の考え方をぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
ひつじ珈琲のYouTubeチャンネル
コーヒーに関することを科学的にマニアックに
掘り下げていく番組です。
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